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2018.12.04 Tuesday

ゴーン氏はなぜ逮捕・勾留されているのか〜逮捕・勾留の条件(その1)〜

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    ゴーン氏が逮捕・勾留されている件については毎日のように様々な情報が出ておりますが、ここ数日の報道を見ると、虚偽記載罪の焦点は退職後の報酬につき記載義務があるかどうかという点のようで、専門家の間でも様々な意見があるようです。

    正直どう転ぶかよくわかりません。

     

    そこで話題を変えて、今回はなぜゴーン氏が逮捕・勾留されているのか、説明を試みたいと思います。

    どうして逮捕や勾留が法律上許されるのか、という問題点です。

    ゴーン氏は、世界でもトップクラスの「身元が固い人」ですが、そのような人の身柄拘束を許容する理由はどのようなものなのでしょうか。

     

    法律上逮捕・勾留されるのはどのような場合でしょうか?

     

    まず、そもそもの前提として、犯罪行為をした容疑がなければなりません。

    これは当たりまえのことです。

     

    ただ、容疑があるからと言って必ずしも逮捕・勾留されるわけではなく、

    一定の条件(法律要件)を満たす必要があります。

    細かいことを省いて説明をしますと、逮捕や勾留の条件は、

    ―撒鑄堋蠅任△

    ∈畩擶L任里それがある

    F亡のおそれがある

    のいずれかに該当することです。

     

    ゴーン氏の場合、―撒鑄堋蠅呂覆い世蹐Δ隼廚┐泙垢掘これだけ身元の固い人はなかなかいませんから、F亡のおそれもないだろう、というのが一般的な感覚ではないでしょうか。

     

    もっとも、日本に定住していない外国人の場合には注意する必要があります。

    というのも―撒鑄堋蠅蓮定まった住居がないと捜査機関や裁判所が呼び出せなくなるし、いざという時に逮捕するのも難しくなってしまうために、身柄拘束の条件とされています。

    その観点からすると外国に定まった住居があっても、日本ではホテル住まいをしているという場合には、住居不定と判断される場合が多いと思います。

     

    また、F亡のおそれについても、やはり日本に定住していない外国人は、帰国して一生日本に戻らないということが簡単にできてしまいます。

    いったん外国に出られてしまうと、捜査機関としては基本的にどうしようもありません。

    そのため、旅行者など、日本に定住していない外国人は逃亡のおそれが高いとされる場合が多いと思います。

     

    ゴーン氏の場合、外国の生活の方が多いようですから、日本に定住しているとは言えないでしょう。

    しかし、日本に所有か賃借している住居はあると思いますし、そう簡単に音信不通になるような人物ではないので、―撒鑄堋蠅砲呂覆蕕覆い隼廚い泙后

     

    F亡のおそれにしても、ゴーン氏ほどの人物が日本から出国し、逃げ続けるようなことをするとはなかなか思えません。

    そのようなことをしたら、国際的な批判を浴びるのではないかと思います。

    また、現在の容疑をベースにすれば、仮に起訴されて有罪となったとしても、さすがに長期間刑務所に入ることはないと思われますから、逃げ続けて先延ばしにするだけ損だとも言えそうです。

    そうすると、現実的な逃亡のおそれは低いと思います。

     

    ただ、このあたりは微妙で、「事件は日本政府の陰謀だ」とか、「日本の当局はでっち上げで有罪にしようとしている」というような主張をしつつ、日本に来ることを避け続けるような事態も考えられますから、逃亡のおそれありという判断もあり得るかもしれません。

     

    ともあれ、―撒鑄堋蠅犯獣任気譴覯椎柔は低そうですし、F亡のおそれについては様々な判断があり得るものの、「おそれが高い」とは言えないと思いますので、これらが身柄拘束の決め手になったとは考えにくいように思います。

     

    決め手となったのは、∈畩擶L任里それであり、今回もこれが認められることから、ゴーン氏の逮捕・勾留がなされたのだろうと思います。

    (次回に続く)