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2018.12.21 Friday

ゴーン氏の再逮捕について

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    ゴーン氏の事件については、この2日間に、勾留延長却下、特別背任罪での再逮捕という怒濤の展開がありました。

    勾留延長却下の段階で、保釈による身柄解放が予想されていたところ、何としてでも身柄拘束したいという検察当局の意思の表れと言えます。

     

    特別背任罪は実質的に会社に被害をもたらす犯罪であり、本丸と言える犯罪です。

    私も以前当ブログに、虚偽記載罪は本当の狙いでなく、横領や背任が狙いであるはずだと書きましたが、いよいよその本丸に達したのでしょうか。

     

    今回は、ー己の資金管理会社の損失を日産に付け替えた、△海譴鯑産から際移転する際に、尽力した人物に送金した、という2つの事案のようです。

    もっとも,牢に報道されていたことであり、結局は証券取引等監視委員会から違法性の疑いがあると指摘されて、元に戻したという経緯があったということでした。

    そうであれば、特別背任罪が形式的に成立するとしても、実質的には会社に損失はなかったことになるかもしれません。

    また、そもそも、証券取引等監視委員会の指摘を受けて元に戻した行為について、それから10年近くたって検察が犯罪だと言って逮捕するのは、行政として一貫性を欠くようにも思えます。

    わざわざ逮捕する必要や立件する必要があるのかという問題は、今回もついて回るように思います。

     

    ただ、今回の件はもしかすると△肝なのかもしれません。

    こちらはあまり報道されていないのでよく分からないのですが、違法な損失の付け替えに協力した人物に利益を供与した、ということなのでしょうか。

    そうであれば、額にもよりますが、処罰価値があるといえるかもしれません。

     

    いずれにしても、保釈ムードの中、突然の再逮捕までした検察当局としては、失敗すれば大ダメージを受けることが当然予想されますから、相当な覚悟と自信をもってこの事件の捜査に当たっていると思います。

     

    ただ、個人的にはそこまで急ぐ必要があったのだろうかという懸念が拭えません。

    というのも、報道ではさかんに21日に釈放があり得ると言われていましたが、実務的に21日の釈放はあり得ず、どんなに早くても連休明けの25日だったはずなのです。

    そうであれば、再逮捕も25日でよかったはず。

     

    勾留延長却下からわずか1日での再逮捕するにあたっては、検察内部でも相当慌ただしい動きがあったはずで、何人もの検事、事務官が徹夜で再逮捕の準備をしていたと思います。

    焦って仕事をすると冷静さを欠いてしまい、どうしてもミスを招いてしまいがちです。

    特捜部のすることですから、そのようなミスは細心の注意を払って防止していることとは思いますが、私のような凡人からすれば、せっかくの連休ですし、これを利用してじっくり冷静に検討しても良かったのに・・・とも思ってしまいます。